静かに限界を迎える社員に、会社はどこまで気づけているか

職場で起きる“心の限界”は、いつも静かに進行します。
大きな声で助けを求めるわけでもなく、表情が劇的に変わるわけでもなく、
ただ、少しずつ、少しずつ——
社員の内側で、命の火が弱くなっていく。

現場では、こんな小さな変化が続いていることがあります。

・以前より判断に時間がかかる
・責任感の強い人ほど「大丈夫」を繰り返す
・感情が出ない、怒らない、求めない
・休むほどではないが、明らかに疲れている
・表面的には優秀に見える

企業では「問題のある人」には注目が集まりますが、
本当に危険なのは、
“優秀なまま崩れていく人”
です。

彼らは責任感が強く、周囲に迷惑をかけまいとし、
自分の不調を言語化する前に、静かに倒れてしまう。

そして多くの上司は、
そのサインに気づけないのです。

人は、限界が近づくほど「何も言えなくなる」

限界は大きな声でやって来ません。
人は本当に苦しいとき、
声を出せなくなるのです。

・強い人ほど抱え込む
・真面目な人ほど頑張り続ける
・相談されない側は“順調”に見える

だからこそ、表面では何も起きていなくても、
心の奥では“崩壊のカウントダウン”が始まっていることがある。

企業のメンタル不調の多くは、
「突然辞めた」「突然休んだ」という形で表面化しますが、
本当は突然ではありません。

その手前に、
必ず小さなSOSが存在するのです。

組織に必要なのは、「気づく力」と「寄り添う窓口」

すべての上司に心理の専門性を求める必要はありません。
ただ、会社として
“気づく仕組み” と “受け止める窓口”
を持つことが、社員の離職とメンタルダウンを防ぐ鍵になります。

・話せる第三者が社外にいる
・匿名で相談できる
・評価に影響しない
・心の疲労を言語化してくれる

こうした環境が整うと、
社員は「崩れる前」に言葉を発することができます。

企業の役割は、社員の心を治すことではありません。
社員が壊れないための環境をつくること。
その一点に尽きます。

“静かに限界を迎える人” を救えるのは、気づける企業だけ

人は誰しも、仕事も人生も抱えながら生きています。
そのプレッシャーに耐えながら、
自分の弱音を隠し、ただ職務を果たそうとする人が大勢います。

企業がその人の小さな変化に気づき、
「ただ話していい」と伝えられるだけで、
救われる心があります。

限界は静かに訪れます。
だからこそ、企業が静かに手を差し伸べることが大切なのです。

いつもお目通しいただきありがとうございます。

投稿者プロフィール

速水恭子
速水恭子くれたけ心理相談室(広島支部)心理カウンセラー
皆様がお健やかで穏やかに日々お過ごしになれますよう願っております

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