理解しようとする
速水恭子相手が理解してほしいと思っているその思いそのままに
相手を理解することは本当は難しい
最初から相手を理解しようとしない人もたまにはいるし
相手を理解したいと思っている人であっても無意識のうちに主観的な判断が邪魔をして
その通りに理解するというところに届かない場合も多い
相手は
何かちょっと違うな
いやそうじゃない
と感じる
けれども
理解しようとする態度が続く限り
対話を通してそのズレを修正し
相手が理解してほしいと思っている
その状態に限りなく近づいていくことはできる
何度話しても相手がまるで自分を理解しようとしなかったり
理解するどころか自分を攻撃してきたりすると
次第に希望は薄れていくのであるが
たとえすべてを理解することが難しくても
相手が理解しようとしてくれているだけで
希望を失わないでいられることもある
大切なのは
最初から正確に理解できなければならないということではなく
理解しようとする態度 すなわち 心の在り様 なのではないかと思う
理解しようと寄り添い続けていると
にわかに 本人の力で解決にたどり着く時がある
寄り添っていた方が
あれ？ もういいの？！
と
肩透かしをくらうようなイメージに似ているであろうか
ともあれ
理解しようと 対話をもって寄り添い続けた結果
本人が安心できる状態に到達したのは 何より喜ばしいことなのである
理解しようとする心の在り様は
相手に絶望を感じさせず 更には回復力をもたらすのである
理解しようとする心の在り様は
自ずと相手に通ずるのである
Hiroshima Kyoko Hayami
くれたけ心理相談室 広島支部
速水恭子
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