あなたのせいじゃないー愛と良心の欠落にどう立ち向かうかー

夫婦 一生添い遂げるもの 少なくとも

そうできるように相互理解に努めるという哲学もあれば

深く悩むことを回避しそれぞれの道を歩むために離婚する場合もある

 

離婚を躊躇う理由の中には

とりわけ家族という形が存在する場合において

家族という全体的視点と子を思う心を持つ親は

相手が有責配偶者であっても

子どもにとって親であるということを踏まえ

気付き変容してくれないかと淡い希望を捨てきれないことがある。

 

自分が一番傷ついているにも関わらず

子どもを傷つけない方法や形を模索し苦悩するからである

 

 

他者に対する思いやりや良心の欠落という原因とともに

相手に深刻な傷を負わせながら、当の加害者はやましさを全く感じていない点は

乗り越えるのが困難な障害となる

 

振り返りや反省を促したところで、耐えがたい罪の思いや

恥を感じさせる心の仕組みをもちあわせていないのである。

自分の都合が優先であるため自分が困っていなければ問題が無いと思い込んでいる。

相手の立場を考えたり自分の暴言が相手をどれほど苦しめているかについて全く自覚がない。

 

夫婦関係のみならず、家族(親子、兄弟姉妹など)、職場の人間関係にも見られる

ソシオパス、サイコパスと呼ばれる人たちへの対処法

 

相手を変えられる方法は無い

あなたが原因ではないという事実を、

周りの人(子どもに対しては親など)が繰り返し伝えていく。

周囲に解ってもらいにくい困難な状況でありながらも

誰かひとりでもその状況を理解できあなたが原因ではない事実を

はっきり言ってくれる人間の存在は重要である。

 

相手から受ける精神的な苦痛が少しずつ軽減され、救われ、ある程度の抵抗力が備わる。

 

Martha Stout は著書

OUTSMARTING THE SOIOPATH NEXT DOOR 
How to Protect Yourself Against a Ruthless Manipulator
『良心をもたない人たちへの対処法』 (2023) [訳] 秋山 勝 草思社文庫

の中で述べている。

「冷淡かつ非情緒的」な脳に見られる傍辺縁系の機能不全を引き起こす具体的な原因が発見されれば,

こうした障害も治せるのではないかと考えてしまう。ー中略ー 前脳部の神経回路に備わる並外れた

可塑性を考えると、「冷淡かつ非情緒的」な脳の神経学上の欠落を克服する方法ー普通なら人への

愛と良心が存在するはずの空っぽの空間を埋める治療法も発見されるのではないかとも思える。

脳の回路は経験を重ねながら作られていく。いずれ将来、脳神経学者によって脳の可塑性を高める

化学療法が開発されれば、脳本来の傾向が強化されるという望みが持てるようになるかもしれない。

 

感情と外部の情動の処理は繊細で複雑であるが

人が人らしく生きるために大切な部分であると思う。

苦しめられている人がいると思うとやるせない気持ちである。

脳神経学も心理学も社会学もあらゆる分野の智慧を結集し

研究が進むことで人を救うことに繋がることを願う。

 

 

いつもお目通しいただきありがとうございます。

投稿者プロフィール

速水恭子
速水恭子くれたけ心理相談室(広島支部)心理カウンセラー
皆様がお健やかで穏やかに日々お過ごしになれますよう願っております

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