橋を架けるように
人の心には、
見えない川が流れている。
カウンセリングとは、
人と人の間に見えない“橋”を架けていく営みなのかもしれない。
私たちは皆、自分の体験・価値観・解釈という岸に立っている。
その岸は、安心でもあり、ときに孤立でもある。
クライエントが語る物語に耳を傾けるとき、
カウンセラーはその人の岸に立ち、
静かに“橋脚”を打ち込んでいく。
言葉は時に届かなくても、
その“橋を架けようとする姿勢”は人の心を支える力になる。
橋は一瞬では架からない。
けれど、信頼と対話を重ねながら、
少しずつ形を成していく。
その過程こそが、
人と人とをつなぐ「癒し」なのだと思う。
その往来の中で、人は「自分を語り直す力」を取り戻していく。
見えない川を越えるたび、
人はもう一度、生きる物語を編み直すのだ。
カウンセリングの現場で大切なのは、
橋を急いで完成させようとしないこと。
揺らぎや沈黙の中にこそ、
その人が立ち上がる力が息づいている。
今日も、誰かの心に橋を架けるように——
私は耳を傾け、共に歩み続けていきたい。
いつもお目通しいただきありがとうございます。
投稿者プロフィール

最新の記事
life2025年11月9日橋を架けるように
life2025年11月8日光を選ぶ力
life2025年11月7日一隅を照らす光でありたい
life2025年11月6日変わらないものの中にある

